嗚呼、徒歩人生
わたしの移動手段は、もっぱら「徒歩」だ。
自転車に乗れた試しがない。思えば、小学校高学年の頃、今日こそは乗るぞと覚悟を決めて向かった児童公園で二漕ぎもできない自分に対し、低学年らしき子たちが自分の左右でスイスイと乗りこなしている姿を見たときから、悲しくも徒歩人生としてのスタートを決意せざるを得なかったのかもしれない。運転免許も必要のなさから持たずに、日々全ての移動手段はほぼ徒歩か、遠出の相棒電車に頼っている。
別にそこまで徒歩人生を悲観したいわけでもなく、徒歩にも利点がある。
徒歩で移動することの良さは、歩いている道の匂いや音、情景を一瞬一瞬感じ取れることではないか。その道の息遣いまでも味わえるのは、自転車でも、車でもできない、徒歩の特権である。そんなこんなで、私は散歩が大好きだ。
新しい道なら全てが発見になるし、同じ道を通っても時間帯や季節によって違う顔に移り変わっていく。
人とともに変わっていくのが、道である。
その道に、今の自分がある。
やはり道と人生というのは似ているのかもしれない。
徒歩人生はまだまだ続く。自分の歩く道を人生と照らし合わせるように。